妊娠中・授乳中にカフェインが気になる人へ|公的機関の情報

公開: 情報の確認: 執筆: 夜の紅茶時間 編集部

先に結論

  • 日本では、カフェインの一日摂取許容量(ADI)は設定されておらず、国の機関は海外の機関の評価を紹介しています。
  • 妊婦についての値は機関によって200 mg/日・300 mg/日と違い、何の値かも違います。一つの数字を基準として読まないようにします。
  • デカフェ紅茶も、カフェインがまったくないとは限りません。量は商品の表示・メーカーの公式サイト・問い合わせで確かめます。
  • 当サイトは商品の表示を比べるもので、個別の可否は判断しません。気になる方は医師に相談してください。

妊娠中・授乳中で、紅茶のカフェインが気になる人に向けて、公的機関が示している情報と、商品の表示の確かめ方をまとめました。当サイトは医療の専門家ではなく、体への影響や、一人ひとりの可否を判断しません。この記事では商品を紹介していません。

日本には、妊娠中・授乳中のカフェインの基準がある?

日本の機関は、カフェインの一日摂取許容量(ADI)を設定しておらず、具体的な摂取量の目安も示していません。そのかわりに、海外の機関の評価を紹介しています。

カフェインは感受性の個人差が大きく、一日摂取許容量(ADI)は設定されていない。日本でも明確な基準や具体的な摂取量の目安は示されておらず、国の機関は海外の評価を紹介している。

出典:食品安全委員会/農林水産省「ファクトシート「食品中のカフェイン」/カフェインの過剰摂取について」(最終更新 2018年2月23日・2026年10月12日確認)

一日摂取許容量(ADI)一般的な意味

人が一生涯毎日摂り続けても健康への悪影響がないと考えられる1日あたりの量。カフェインについては、感受性の個人差が大きいことなどからADIは設定されていない。

根拠: 国民生活センター、食品安全委員会/農林水産省(用語集)

海外の機関は、どんな値を示している?

妊婦・授乳中の女性について、海外の機関が示した値は次のとおりです(日本の機関の紹介による)。機関ごとに値も、何の値かも違います。

妊婦・授乳中の女性について海外の機関が示した値
対象値示した機関何の値か出典
妊婦200 mg/日EFSA(欧州食品安全機関)・2015年習慣的に摂っても胎児に健康リスクが生じない量食品安全委員会(EFSA 2015 の紹介)(最終更新 2018年2月23日・2026年10月12日確認)
妊婦300 mg/日世界保健機関(WHO)・2016年これを超える妊婦に、摂取を制限するよう注意喚起した量食品安全委員会(WHO の紹介)(最終更新 2018年2月23日・2026年10月12日確認)
妊婦・授乳婦・妊娠を計画している女性300 mg/日カナダ保健省推奨する上限食品安全委員会(カナダ保健省の紹介)(最終更新 2018年2月23日・2026年10月12日確認)
妊娠した女性200 mg/日(以前は300 mg)英国食品基準庁(FSA)・2008年制限するよう勧めた量食品安全委員会(英国FSA の紹介)(最終更新 2018年2月23日・2026年10月12日確認)
妊婦及び授乳婦200 mg/日オーストラリア・ニュージーランド(FSANZ)上限・目安(農林水産省の表による)農林水産省(最終更新 2026年8月28日・2026年10月12日確認)
授乳中の女性200 mg/日(1回200 mg)EFSA(欧州食品安全機関)・2015年乳児に健康リスクが生じない量食品安全委員会(EFSA 2015 の紹介)(最終更新 2018年2月23日・2026年10月12日確認)

カフェインの一日摂取許容量(ADI)は設定されていません(食品安全委員会)。表の値は機関・対象・目的ごとに違い、どれか1つが基準というわけではありません。感じ方には個人差があるため、個別の判断は医師に相談してください。

同じ「妊婦」についての値でも、機関によって数字が違い、「健康リスクが生じない量」「制限を注意喚起した量」「推奨する上限」など、意味も違います。どれか一つを「この量までなら」という基準として読まないようにします。値が示された年もまちまちです。

米国の FDA は、妊娠中・妊娠を望む人・授乳中の人には、医療者に相談するよう勧めています。

FDAは、ほとんどの成人について1日400 mg(12液量オンスのコーヒー2〜3杯程度)を挙げ、妊娠中・妊娠を望む人・授乳中の人には医療者に相談するよう勧めている。

出典:米国食品医薬品局(FDA)「Spilling the Beans: How Much Caffeine is Too Much?」(内容の更新日 2024年8月28日・2026年10月12日確認)

国の機関は、妊娠中・授乳中についてほかに何と言っている?

注意が必要な人として、妊娠中・授乳中の人が挙げられています。農林水産省は、摂取量をより少なくするための選択肢の一つとして、カフェインを取り除いた製品にも触れています。

子ども・妊婦・授乳中の人・カフェインに敏感な人は特に摂取量に注意が必要とされている。農林水産省は、摂取量をより少なくするために、カフェインを取り除いた(decaffeinated)製品を利用するのも選択肢の一つとしている。

出典:農林水産省「カフェインの過剰摂取について」(最終更新 2026年8月28日・2026年10月12日確認)

この文は「選択肢の一つ」という紹介で、カフェインを取り除いた製品なら量を気にしなくてよい、という意味ではありません。

厚生労働省の睡眠ガイド2023も、妊婦について次のように書いています。

同ガイドは、こども(1日1〜3 mg/kg以上で睡眠に悪影響の報告)や高齢者は少量でも影響を受けやすいとし、妊婦については胎児への影響の明らかな研究結果は得られていないが、可能な限り控えることが複数の国や学会から勧められていると書いている。

出典:厚生労働省(健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会)「健康づくりのための睡眠ガイド2023(INFORMATION3 睡眠と嗜好品について)」(公表 2024年2月・2026年10月12日確認)

カフェインを含む医薬品と一緒に摂らないことなど、一般的な注意も示されています。

国の機関は、エナジードリンクを1日に何本も飲まないこと、カフェインを含む医薬品とカフェイン飲料を一緒に飲まないこと、カフェインを多く含む飲料とお酒を一緒に摂らないことを呼びかけている。

出典:厚生労働省/農林水産省/消費者庁「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ほか」(2026年10月12日確認)

デカフェ紅茶にも、カフェインは含まれる?

まったく含まないとは限りません。海外の公的機関も、カフェインを除いた茶に少しカフェインが残ることを前提にしています。

米国食品医薬品局(FDA)は消費者向けの情報で、カフェインを除いたコーヒーや茶は通常品より少ないがカフェインを含むと説明し、カフェインを除いたコーヒーは8液量オンス(約240 mL)で通常2〜15 mgとしている。

出典:米国食品医薬品局(FDA)「Spilling the Beans: How Much Caffeine is Too Much?」(内容の更新日 2024年8月28日・2026年10月12日確認)

商品ごとの量の書き方もそろっていません。図鑑の紅茶42件のうち、カフェインの量(mg・g)を書いている商品は23件で、「1袋あたり」「100 mLあたり」など基準も違います(2026年10月12日時点)。書き方の違いは「デカフェ紅茶のカフェイン量」と「デカフェ紅茶の表示の読み方」で説明しています。

商品のカフェインの量は、どう確かめる?

商品の表示、メーカーの公式サイト、メーカーへの問い合わせの順に確かめます。

国民生活センターは、カフェインの量を確かめるときは、まず商品本体の表示を見て、なければ販売者等のウェブサイトを見るか、販売者等に問い合わせるよう案内している。

出典:国民生活センター「飲料のカフェイン含有量に関する調査-知らずに多く摂取していることも!?-」(公表 2021年11月4日・2026年10月12日確認)

  1. パッケージの表示を見る: 言葉(デカフェ・カフェインレスなど)、数字と単位、「何あたり」かの注記。
  2. メーカーの公式サイトを見る: 商品ページやよくある質問に、量や除去方法が書かれていることがあります。
  3. メーカーに問い合わせる: 「1杯(何mL)あたり何mgか」「どの淹れ方の条件の数字か」を聞きます。

医師に相談するときは、何を伝えればいい?

飲みたい商品の名前と、確かめた表示(言葉・数字・何あたりか)、ふだん飲んでいるほかの飲み物を伝えると、相談しやすくなります。カフェインはコーヒーや緑茶、エナジードリンクなどにも含まれるためです。

飲み物ごとのカフェインの量の目安は、カフェインの基礎知識の表(日本食品標準成分表など)にまとめています。

まとめ

  • 日本ではカフェインの一日摂取許容量(ADI)は設定されておらず、国の機関は海外の評価を紹介しています。
  • 海外の機関の値は、妊婦について機関ごとに違い、何の値かも違います。一つの数字を基準として読みません。
  • デカフェ紅茶も、カフェインがまったくないとは限りません。量は表示・公式サイト・問い合わせで確かめます。
  • 当サイトは個別の可否を判断しません。気になる方は医師に相談してください。

よくある質問

妊娠中のカフェインは、1日に何mgまでですか?

日本の機関は具体的な量を示しておらず、海外の機関の値も、EFSAと英国FSAが200 mg/日、WHOとカナダ保健省が300 mg/日と違います。何の値かもそれぞれ違うため、個別の量は医師に相談してください。

授乳中についての値はありますか?

EFSAは2015年に、授乳中の女性について1回200 mg以下・習慣的に200 mg/日以下という値を示しました。カナダ保健省は、妊婦・授乳婦・妊娠を計画している女性について300 mg/日を推奨する上限としています。

デカフェ紅茶を選べば、妊娠中でも気にしなくてよいですか?

当サイトは判断しません。デカフェ紅茶もカフェインがまったくないとは限らず、量の書き方も商品ごとに違います。農林水産省は、カフェインを取り除いた製品を利用するのも選択肢の一つとしていますが、個別の判断は医師に相談してください。

商品のカフェインの量は、どこで確かめられますか?

国民生活センターは、まず商品本体の表示を見て、なければ販売者等のウェブサイトを見るか、販売者等に問い合わせるよう案内しています。

出典

この記事の事実は、次の資料で確かめました(情報の確認: 2026年10月12日)。

  1. 食品安全委員会 ファクトシート「食品中のカフェイン」(2026年10月12日確認)
  2. 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」(2026年10月12日確認)
  3. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月)(2026年10月12日確認)
  4. 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」(2026年10月12日確認)
  5. 米国食品医薬品局(FDA)「Spilling the Beans: How Much Caffeine is Too Much?」(2026年10月12日確認)
  6. 国民生活センター「飲料のカフェイン含有量に関する調査」(2021年11月4日)(2026年10月12日確認)

更新の記録

  • 公開

誤りに気づいたらお問い合わせからお知らせください(訂正の方針)。