デカフェ紅茶の表示の読み方|0.00g・90%・ゼロの意味
先に結論
- カフェインは食品表示基準の栄養成分ではなく、量の表示は義務ではありません。書くかどうか・どう書くかはメーカーごとです。
- 「90%以上除去」はコーヒーの公正競争規約の定義で、紅茶の表示の決まりではありません。
- 「0.00g」は、その単位で「何あたり」に書いた数字です。まったく含まないという意味とは限りません。
- 除去率(%)と量(mg・g)は別の数字で、そのままでは比べられません。

デカフェ紅茶のパッケージには、「カフェインレス」「カフェイン0.00g」「◯%カット」など、言葉と数字がいろいろな形で書かれています。この記事では、それぞれの表示に決まりがあるのか、数字をどう読めばよいのかを、公的機関の資料と図鑑のデータで説明します。言葉の定義そのものは「デカフェ・カフェインレス・ノンカフェイン・ローカフェインの違い」にあります。
カフェインの量は、必ず表示されている?
されていません。カフェインは食品表示基準の栄養成分ではなく、量を書く義務はありません。書くかどうか、どう書くかはメーカーごとに違います。
カフェインは食品表示基準が適用される栄養成分ではなく、商品に含有量を表示する義務はない。事業者が任意で表示するときは、栄養成分表示の枠外などに書くことになっている。
出典:国民生活センター「飲料のカフェイン含有量に関する調査-知らずに多く摂取していることも!?-」(公表 2021年11月4日・2026年10月12日確認)
国民生活センターが2021年に調べたペットボトルの紅茶飲料では、商品本体に量を書いた銘柄はありませんでした(茶葉・ティーバッグは調査の対象外です)。
国民生活センターの調査では、紅茶飲料9銘柄はどれも商品本体にカフェイン量の表示がなかった(5銘柄はメーカーのウェブサイトに量の記載があった)。
出典:国民生活センター「飲料のカフェイン含有量に関する調査-知らずに多く摂取していることも!?-」(公表 2021年11月4日・2026年10月12日確認)
図鑑の紅茶42件では、量(mg・g)を書いている商品が23件、割合(%)だけの商品が9件、どちらも見当たらない商品が10件でした(2026年10月12日時点)。
「カフェインレス」「デカフェ」と書くための基準はある?
紅茶には見当たりませんでした。数字の基準があるのはコーヒーで、「カフェインを90%以上除去したもの」を「カフェインレスコーヒー」などと表示する決まりです。
| 決まり・資料 | 中身 | 対象・範囲 | 出典 |
|---|---|---|---|
| コーヒー飲料等の公正競争規約 | 90%以上除去したコーヒー=「カフェインレスコーヒー」 | 対象は容器に密封したコーヒー飲料等 | 全国コーヒー飲料公正取引協議会(全国公正取引協議会連合会 掲載)(最新の変更の施行 2024年10月1日・2026年10月12日確認) |
| レギュラー・インスタントコーヒーの公正競争規約 | 90%以上除去したコーヒー=「カフェインレスコーヒー」「デカフェネィテッドコーヒー」等 | 対象は容器・包装に密封したレギュラーコーヒー・インスタントコーヒー | 全日本コーヒー公正取引協議会(全国公正取引協議会連合会 掲載)(最新の変更の施行 2024年10月1日・2026年10月12日確認) |
| 紅茶・茶の表示の公正競争規約 | 規約の一覧に見当たらない | 全国公正取引協議会連合会と消費者庁の一覧(2026年10月12日確認) | 全国公正取引協議会連合会/消費者庁(2026年10月12日確認) |
紅茶の商品の「カフェインレス」に、コーヒーの90%を当てはめて読むことはできません。国民生活センターの調査でも、量の少なさをうかがわせる表示があるのに、量が商品にもサイトにも書かれていない銘柄がありました(ペットボトル等の飲料の調査)。
国民生活センターの調査では、78銘柄中7銘柄に「カフェインレス」「カフェイン○%カット」など少ないとうかがわれる表示があり、そのうち2銘柄は量が商品にもメーカーのウェブサイトにも書かれていなかった。
出典:国民生活センター「飲料のカフェイン含有量に関する調査-知らずに多く摂取していることも!?-」(公表 2021年11月4日・2026年10月12日確認)
数字は「何あたり」で書かれている?
商品によってばらばらです。同じ数字の書き方でも、1杯(1袋)あたりの商品と、浸出液100 mLあたりの商品があります。図鑑の紅茶の記載を、何あたりかで分けると次のとおりです。
| 何あたりの記載か | 商品の数 | 表示の数字(原文) |
|---|---|---|
| 浸出液100mlあたり | 8件 | 「0.00g」 |
| 1杯<ティーバッグ1袋>あたり | 4件 | 「0.00g」 |
| 1杯150ml(1袋)あたり | 4件 | 「0.00g」 |
| 1ティーバッグ(2g)あたり | 3件 | 「0.008g以下」 |
| 100mlあたり | 2件 | 「1mg」 |
| 1本(9g)あたり | 1件 | 「0.001g未満」 |
| 抽出液1杯(150ml)あたり | 1件 | 「0.008g以下」 |
| 割合(%)の記載だけ | 9件 | — |
| 量・割合の記載なし | 10件 | — |
読むときは、数字・単位・何あたりかの3つを一緒に見ます。商品ごとの原文は「デカフェ紅茶のカフェイン量」に一覧にしています。
「◯%カット」「◯%除去」は、どう読む?
処理の前と比べて、どれだけ取り除いたかの割合として読みます。1杯に入るカフェインの量(mg)とは別の数字です。
除去率当サイトの使い方
当サイトでは、カフェインを取り除く処理の前と比べて、どれだけの割合のカフェインを取り除いたかをメーカーが%で書いた値を指す(例「カフェイン97%カット」)。何と比べた%か・どう測ったかが書かれていないことが多いので、数字はメーカーの記載のまま示し、商品どうしの優劣はつけない。
根拠: 全国コーヒー飲料公正取引協議会(全国公正取引協議会連合会 掲載)、国民生活センター、全国公正取引協議会連合会/消費者庁(用語集)
同じ%でも、「残存率」(処理の後に残っている割合)や、「茶葉に対する含有量」(乾いた茶葉の中の割合)を書いている商品もあります。どの%なのかは、数字の前後の言葉と、注記の条件で見分けます。
| 書き方 | 何の割合か | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| ◯%カット・◯%除去 | 処理の前と比べて、取り除いた割合 | もとのカフェインの量が分からないと、残る量は分からない |
| 残存率◯% | 処理の後に、残っている割合 | 茶葉の量・湯・時間などの条件がついているかを見る |
| 茶葉に対し◯%以下 | 乾いた茶葉の重さに対するカフェインの割合 | 飲む1杯の量ではない |
「0.00g」「カフェインゼロ」は、まったく含まないということ?
とは限りません。「0.00g」はg(グラム)の単位で書いた数字で、それより小さい量があるかどうかは、この表示だけでは分かりません。国民生活センターにも、「カフェインゼロ」の表示と裏の数字が分かりにくいという相談が寄せられていました。
国民生活センターの調査で「カフェインを含まない」とうたった茶系飲料2銘柄と炭酸飲料1銘柄は、測定で100 gあたり0.1 mg未満だった。一方で「カフェインゼロと書いてあるのに裏の表示に数字がある」という相談も寄せられていた。
出典:国民生活センター「飲料のカフェイン含有量に関する調査-知らずに多く摂取していることも!?-」(公表 2021年11月4日・2026年10月12日確認)
海外では、カフェインを除いた茶に少しカフェインが残ることを前提にした基準があります。日本の商品にこの基準を当てはめて「基準を満たす」と読むことはできませんが、「デカフェ=ゼロ」ではないことの手がかりになります。
| 決まり・資料 | 中身 | 対象・範囲 | 出典 |
|---|---|---|---|
| ドイツ「茶の指針」 | 茶の乾物のカフェイン0.4%以下のときだけカフェイン除去を表示 | 茶と香りづけした茶(法令ではなく取引上の通念を示す指針) | ドイツ連邦食料・農業・郷土省(BMLEH)/ドイツ食品法典委員会(官報掲載 2022年6月17日・2026年10月12日確認) |
| カナダ 食品組成基準 | 「decaffeinated(茶の種類名)」=カフェイン0.4%以下の茶 | 茶の乾燥した葉と芽に対する割合 | カナダ食品検査庁(CFIA)(ページの更新日 2025年5月1日・2026年10月12日確認) |
| 米国 FDA の消費者向け情報 | カフェインを除いたコーヒーや茶も、少しはカフェインを含む | 定義ではなく説明(コーヒーは8液量オンスで通常2〜15 mg) | 米国食品医薬品局(FDA)(内容の更新日 2024年8月28日・2026年10月12日確認) |
「ノンカフェイン」の表示に、基準はある?
数値の基準は見つかりませんでした。消費者庁の食品表示基準Q&Aは、「ノンカフェイン」の表示が食品表示基準の「栄養表示」に当たらないとしているだけです。
消費者庁の食品表示基準Q&A(加工-165-1)は、「ノンカフェイン」の表示は食品表示基準でいう「栄養表示」に当たらないとしている。
出典:消費者庁「食品表示基準Q&A(新旧対照表)/食品表示基準Q&A(最終改正 令和8年10月1日消食表第750号)」(改正 2025年3月28日・2026年10月12日確認)
当サイトでは、ノンカフェインを「原料にもともとカフェインを含まない飲み物」の意味で使い、紅茶からカフェインを取り除いた商品には使っていません。
パッケージを見るときは、どこを確かめる?
次の順に見ると、表示の意味を取り違えにくくなります。
- 言葉: 「デカフェ」「カフェインレス」などの言葉と、その近くの説明(取り除いたのか、もともと少ないのか)。
- 数字と単位: mg・g の量か、%の割合か。「以下」「未満」は上限の表示です。
- 何あたりか: 1袋・1杯(何mL)・100 mL・茶葉に対する、など。注記(※)に書かれていることが多いです。
- 除去方法: 方式の名前が書かれているか(「カフェインの除去方法の違い」)。
- 書いていなければ: メーカーの公式サイトを見るか、問い合わせます。
国民生活センターは、カフェインの量を確かめるときは、まず商品本体の表示を見て、なければ販売者等のウェブサイトを見るか、販売者等に問い合わせるよう案内している。
出典:国民生活センター「飲料のカフェイン含有量に関する調査-知らずに多く摂取していることも!?-」(公表 2021年11月4日・2026年10月12日確認)
まとめ
- カフェインの量の表示は義務ではなく、書き方はメーカーごとに違います。
- 「90%以上除去」はコーヒーの決まりで、紅茶の表示には当てはまりません。
- 「0.00g」「カフェインゼロ」は、まったく含まないという意味とは限りません。数字は「何あたり」と一緒に読みます。
- 除去率・残存率・茶葉に対する%は、それぞれ別の数字です。図鑑の各商品のページに、表示の原文を出典と確認日つきで載せています(デカフェ紅茶図鑑)。
よくある質問
紅茶に「カフェインレス」と書くための基準はありますか?
2026年10月12日に確かめた範囲では、紅茶・茶の表示の公正競争規約は見当たりませんでした。「90%以上除去」はコーヒーの規約が「カフェインレスコーヒー」を定義した数字です。
「カフェイン0.00g」は、まったく含まないということですか?
とは限りません。「0.00g」はg(グラム)の単位で書いた数字で、1杯・100 mLなど「何あたり」かで意味も変わります。それより小さい量があるかどうかは、この表示だけでは分かりません。
「◯%カット」と「1杯あたり◯mg」は、どちらが少ないですか?
比べられません。除去率は処理の前と比べた割合で、量は何あたりの重さです。もとの茶葉のカフェインや淹れ方で、1杯に入る量は変わります。
カフェインの表示がない商品は、カフェインが多いのですか?
そうとは限りません。カフェインの量の表示は義務ではないためです。メーカーの公式サイトを見るか、メーカーに問い合わせて確かめます。
出典
この記事の事実は、次の資料で確かめました(情報の確認: 2026年10月12日)。
- 国民生活センター「飲料のカフェイン含有量に関する調査」(2021年11月4日)(2026年10月12日確認)
- 全国公正取引協議会連合会「公正取引協議会・公正競争規約一覧」(2026年10月12日確認)
- 全国コーヒー飲料公正取引協議会「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」(2026年10月12日確認)
- 全日本コーヒー公正取引協議会「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」(2026年10月12日確認)
- 消費者庁「食品表示基準Q&A」新旧対照表(2025年3月改正)(2026年10月12日確認)
- ドイツ連邦食料・農業・郷土省「Leitsätze für Tee, Kräuter- und Früchtetee sowie deren Extrakte und Zubereitungen」(2022年)(2026年10月12日確認)
- カナダ食品検査庁「Canadian Food Compositional Standards」(2026年10月12日確認)
- 米国食品医薬品局(FDA)「Spilling the Beans: How Much Caffeine is Too Much?」(2026年10月12日確認)
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